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2024.4.24

【打ち放しコンクリート】

今年も昨年に続き驚く程桜の開花が早く、既に満開となった樹木も見受けられますので、
新緑の季節への移ろいが待ち遠しく感じてしまう今日この頃です。
暖かくなり、建築業界としては工事をする環境として、最適な時期になりつつあります。

今日はコンクリートについて少しお話をさせていただきます・・・。
『打ち放しコンクリート』、『コンクリート打ち放し仕上げ』と言う表現を、
聞いた事があるかと思います。
弊社でも、木造住宅の基礎や、コンクリート塀などで用いる仕上げの方法ですが、
そもそもどういう仕上げの事なのでしょうか?






建築物の仕上げの一種で、現場打ちコンクリートの上に塗装・タイル・石張りなどの、
仕上げ工程を省き、型枠を外した直後のむき出しのままの状態のコンクリートをもって、
仕上げとする手法の事です。
建築意匠的にはコンクリート構造独特の力強さ・清潔感・素材感などの美的表現に優れていますが、
基本的に型枠を取り外した後の仕上げ工程が無い為、
型枠形成の精工さ・綺麗さ・頑丈さや、コンクリートを打込む作業時の気温・湿度・作業スピード・打設の仕方・丁寧さ等様々な要因で、その巧拙がおおよそ決まってしまう難しい仕上げです。
所謂、失敗のできない一発勝負と言っても過言ではありません。
ですから、弊社では主に写真の様にコンクリート表面を光沢のある艶やかな仕上げにする為、
型枠の表面を塗装で仕上げた《パネコート型枠》を使用し、
コンクリートの角を直線的に波打たない様、
KENTHOUSE独自の施工基準で施工し、細心の注意を払い現場施工しております。

しかしながら、コンクリートの色に関してだけは人の個性と同じで、
前文で書いた通り様々な要因により、明度差で濃いグレーや、白に近いライトグレーになったり、
無彩色に見えがちですが、原材料(砂・砕石・セメント)の色成分の中には、
黄色味や赤味が入っているものもあるので、一概にグレーと言っても無限の色の種類になります。
一つとして同じコンクリートには仕上がりませんので、狙った色にする事が難しい工事なのです。

コンクリート表面は、雨や炭酸ガス(大気中の二酸化炭素)により中性化が進みpH を低下させ、
経年変化に伴い風化します。
コンクリート表面が中性化すると、藻やカビ等の菌類が繁殖しやすくなり、劣化が早まりますので、
昨今の打ち放しコンクリートは、見た目の美観やコンクリート表面を保護するという意味合いで、
打ち放し風塗装されているものが多くなってきています。
ですので、本当の意味での『打ち放しコンクリート』では無くなってきているのかもしれません。






そういった中で、弊社では本当の意味での一発仕上げの打放しにこだわり、
経年の劣化が起こしずらい様、密実で綺麗なコンクリートを施工する様努力し、
今後も、美しい【打ち放しコンクリート】がKENT HOUSEの代名詞になる様、
努めてまいりたいと思っております。

                        増田  佳