6月~7月にかけて北海道は爽やかな季節です。
毎年この爽やかな時期に旭川で行われているイベントがあります。
それが、『 旭川家具産地展 』です。 今年でなんと59回目。
旭川で活躍する家具メーカーや工房など参加企業が集結して旭川家具全体のブランドイメージを支えている大切な試みです。
イベント期間中は、各工房から思考を凝らしたステキなおもてなしが用意され、工房同士を結ぶシャトルバスや
無料タクシーが行き交い、宿泊施設も賑わいを見せ、観光事業としても一役買っている町を挙げての恒例行事なのです。
まず向かったのが arflex JAPAN 旭川ファクトリー
工場内は残念ながら撮影NGでしたが、各工程を間近で見学しながら進むプログラムで、
自然とモノづくりの楽しさに触れられる内容になっています。
そして2階のショールームには、定番・新商品のラインナップが揃っていて
座り心地や品質を触って確かめることができるフロアになっています。
次に向かったのが、カンディハウス旭川工場
旭川を代表するメーカーだけあって、スケールの大きさは郡を抜いています。
2階にある事務所は図書館のような雰囲気
こちらも、工場内の撮影はNGでしたが、ファクトリーツアーは2時間近くに渡る充実した内容。
手作業による職人さんの技と、セクションごとの合理化とオートメーションでの効率化に知恵を使い
技術力を結集してできたデビューの日を待ちわびる家具たち。そのクオリティの高さをひとりでも多くの人に伝えたい・・・
そんな気持ちで会社を挙げて取り組む姿勢に強い心意気が伝わってきます。
広々としたショールームは見ごたえのある展示数で、空間ごとにコーディネートされてインテリア鑑賞としても楽しめます。
新作モデルのエピソードやそこに至る苦労話など、心に残るプレゼンテーションに耳を傾けていると、
たくさんの人の手を借りてできる家具1点1点の価値の大きさを改めて感じ取ることができます。
各工房を訪ねて学んだ、1つの家具が完成するまでのプロセスの中で携わる人々の膨大な手間。
そこに思いを馳せ、労力を丁寧に紐解いていくと、納期の長さや価格など 色々なことに納得がいきます。
現在、家具市場はほぼ二極化に近い形で分かれています。
海外の労働力を借りて大量生産で販売される低価格の家具。
質の高さを最優先したいわゆるハイクオリティな家具。
どちらも、品質の向上とコストダウンを目標にあらゆる企業努力を行っているはずです。
家具は引越しや新築など、キッカケが無ければなかなか検討されにくい商品かもしれませんが
たとえば、自動車や洋服より、椅子やソファーこだわってお金をかける人をイメージすると、
少ないたった1つのその情報だけで、その人の人生観の根底にある大切な宝箱の中身も見えてくる気がします。
価値観の基準が、他人からどう見えるかに重点を置くのと、自分がどう有りたいかに重点を置くのとでは、
コストをかけるジャンルが少し違うので、そもそも宝箱の素材や形も全く違ったものになるのかもしれません。
モノづくりの真髄に触れたこの日以来、私もいつかは自分の宝箱を一新したいと夢見ています。。。
それにはまず、着替え時ソファーに裸で座ってしまう、うちの末っ子の習性をなんとかしないと(笑)
KENT HOUSE 富 沢