~ 新時代への冀望 ~
2016年04月16日

先日、お引き渡しを終えた建物です。
まだ肌寒い春の空を背景に、真っ白の直線ラインの真新しいフレームが神々しく縁取っています。
中庭と一体化する大きな窓と、丁寧に設えられたスケール感のある家具も優におさまる広さを誇るキッチン。

オーナー様がインスピレーションを受けたのは、豊平区にあるケント・ハウスのモデルハウス。
モデルハウスはあくまでもモデルハウス。
目の保養と、お客さまの夢を掻き立てるためにある バーチャルなワンダーランド的存在。
部分的なアイディアは参考になったとしても、ほぼ丸ごと現実のものにすることなど予算が許すはずもありません。
それが、モデルハウスの一般的な概念ではないでしょうか・・・
ケント・ハウスでは、モデルハウスと実際にお客様が建てられる家とのギャップを解消することが、理想的な”価値ある家づくり”
につながるのではないか?と創業当初から現在に至るまでずっと考えてきました。

2015年完成の15モデルは、「中庭リゾート」をテーマに、水盤やオリジナルのオブジェを始めとする 一般住宅にはない
大胆な発想で切り込んだ力作。
15モデルが完成する前に公開していた、前作の04モデルも、多くのお客さまにモデルハウスと同じプランや仕様を…とリクエストや
オーダーを頂き、11年という歳月、ひたすら支持を集め続けたケントのベストセラーでした。
そのベストセラーだった04モデルに初めて訪れた時の熱いインスピレーションを、未だにその体温諸共思い出せる私は、
前作への深い思い入れに比例するかのように、寂寥感もかなりのものでした。
過去、現在のものの評判が良ければ良いほど、リニューアルには慎重になってしまうものです。
そして、新しい時代の第一歩として こうして現在のモデルハウスに共鳴して下さったオーナーさまの建物が完成し、
ご満足頂けることが清新な冀望となって、励ましてくれるようです。
さらにファンがもっとたくさん増えないかと、春の桜を待つ期待に似た 待ちきれなさを感じるのでした…
KENT HOUSE 富 沢