ケント・ハウスでは、受注生産という形で、ソファーやダイニングチェアーのオーダーも
承っていますが、住宅同様、決して簡単なことではありません。
モノづくりの世界は、共通したある難しさを抱えています。
それは後ほど・・・
・・・というわけで、モノづくりの現場を勉強させていただきます。
こちらは、札幌にあるオーダー家具などを制作販売している澪工房です。
南社長率いる澪工房が手掛ける家具は、木の温もりを含有しつつ、その温もりを全面的に訴えることなく
コーヒーから出る湯気のように間接的な表現で温かみを伝えるというデザイン性に優れています。
南社長ならではの匠の技と、こだわり・・・
そして、飽きの来ないデザイン力で、1度使うと虜になるとういう澪ワールドを展開しています。


こちらの和ダンスは、現代風な感覚を取り入れた澪工房でも
人気の高い商品。
パッと見る限り、引き出しとはわからないシンプルさ。
シンプルはごまかしが効かないので、どうしても粗(あら)が
目立つリスクがあります。
腕に自信があり、なおかつよほど木を熟知していなければ、商品化することをためらってしまうデザインです。
歩いて数歩で行ける工房は、工房というよりギャラリーに近い印象です。
家具業界一筋の人脈と経験を武器に、腕の良い職人だけを集め、
品質に関して非常に厳しい目でチェックするため提携されている工場も、誰もがご存じの一流ブランドと同じ。
こちらは、札幌スタイルでもおなじみ
KINOCCO(木のっ子)
見たままのユニークなネーミングもさることながら、
高さを変えられる機能もプラス。
ちなみに、こちらの床はパイン材をスタッフが力を合わせて着色。
カントリーのイメージが強いパイン材もセンスひとつで
見事なイメージチェンジを果たします。
こちらの南社長のユニークさと毒舌を掛け合わせた話術も絶妙ですが、歯に衣着せぬ表現の中に包まれている柔らかさや
遊び心が作品ににじみ出ている気がします。
また、南社長はご自身の哲学を明確に持っていらっしゃいます。
“思想までは売らない”
経営者でありながらも、家具職人としての血のほうが勝ることを示す職人魂の熱い叫びでもあり、
代表者としての覚悟ともとれる深くて重い言葉です。
頑なに品質を守る澪工房の姿勢が貫かれた気品あふれる家具たちは、芸能人や皇室関係をはじめとする多くのお客様に
愛着を持って家族の一員のように招き入れられ、やがて慣れ親しまれていくのです。
丹精込めて品質の良いものをつくると、長持ちします。
”この持ちの良さ”こそが、冒頭の言葉に通じるある悩みへとつながっていきます。 それは、職人の喜びでもあり、同時に
経営者の悩みの種だったりするのです。。。
「廃番品なので部品はもうありません」なんて無責任なことはできない。
決してリーズナブルではない澪工房の家具ですが、一生ものの品質という付加価値が備わっているから、しなやかで、 驚くほどに馴染む
フィット感。
意味も無くずっと触っていたくなるほどの手触りのよさは、赤ちゃんのほっぺたを触っているときの気持ちのよさに似ています。
澪工房の商品は常にアイディアを創造し、形にするフットワークの良さに満ちています。
左の画像は、何と神棚。 スマートなので 狭い空間でもOK
あくまでも主義主張は変えずに、時代のニーズに目を凝らし、鼻を利かせ、耳を傾ける。
モノづくりの真髄を教えて頂きました。
KENT HOUSE 富 沢